食品衛生の規制に変化はあるか

今日の朝日新聞に「『腐敗マフィン』購入者が証言」という記事が載っていました。納豆臭がしたとか、生焼けで、具は糸を引いていた、とか、聞いただけで引いてしまうような商品だったようです。

「防腐剤や添加物も使っていない」とうたっていたようですが、これは焼き菓子だったら使わないのが普通かなと思います。「砂糖の量が市販のお菓子の半量以下」というのは、それで本当においしい商品になっていたのか?ということが、まず気になりました。

購入者の証言に「粉を食べているような味だった」というものもあり、「生焼けだった」証言と共に、加熱が不十分だった、水分量が多すぎた、ということが疑われます。これでは、腐敗する危険は十分にありますよね。

店主の説明によれば「イベントの5日前から作り始めた」「数千個のマフィンを保管する場所がなくて、空調を18℃にして保管した」とのことで、小さな店舗の製造能力をはるかに超えた量を無理に販売しようとしたことにも原因がありそうです。

今年の夏には、駅弁の海鮮弁当での食中毒事件もありました。あの件も、大量に受注して米飯を他の業者に外注していたことで品質管理が十分にできていなかった、ことに原因があったようでした。

製造能力の範囲を超えることには、大きな危険を伴うということと思われます。

今日の朝日新聞の記事の中には、「消費者は何を信じて商品を買えばよいのか。」という一文があります。消費者は何を信じているのでしょうか?

漠然とでも、消費者は「食品を販売している業者は食品衛生の規制を守っており、行政は食品販売業者を監視している」ということを知っているのかな、と思います。何事もなければ、普段はそんなに意識することもないかもしれません。

しかし、大きな話題となる食中毒事件などがありますと、急に関心が高まるようにも思われます。

今回のこの件は、規模としては小さな事件かもしれませんが、SNSの普及した現状においては多くの人に知られ、関心を持たれたのは間違いありません。安全安心を求める人々の気持ちは年々強くなっているように感じますし、食品衛生の規制の強化につながっていくような気がします。