アメリカンとイングリッシュ

マフィンが話題になっていたので、先日マフィンについて調べてみたのですが、それでマフィンと呼ばれるものには2種類あるということに気付きました。

「食辞林」という食の事典があり、それを引いてみると、【マフィン→マッフィン=イーストの代わりにベーキングパウダーを用いた生地を、カップ型のマフィン型に入れて焼いた小型の丸いパン。レーズンやベリー類を入れたりする。バター、ジャム、マーマレードなどを添えて食べる。〈イングリッシュマフィン〉はイーストで発酵させた生地を用いる。】とありました。

ネットで検索すると、業務用のパン屋さんのHPの記述が出てきて「実は一般的にマフィンと呼ばれるもののなかには、アメリカから来た「アメリカンマフィン」とイギリスから来た「イングリッシュマフィン」が存在します。」とありました。

つまり、カップケーキのような焼き菓子として作られるのがアメリカンマフィンで、酵母で発酵させた丸いパンがイングリッシュマフィンなのだということです。

私はお菓子として認識していたのですが、それはアメリカから来たマフィンだということですね。そういえば、スーパーで大手製パン会社製造の「イングリッシュマフィン」を買って食べたこともあります。イングリッシュマフィンは間違いなく、お菓子ではなくパンとして認識されるパンですね。

アメリカンマフィンについても、酵母を使わずにベーキングパウダーで膨らませた「簡易なパン」という記述で説明されている場合もあり、パンに近いお菓子、という感じでしょうか。

子どもの頃はいろいろなお菓子作りにチャレンジしましたが、マフィンを作った記憶はありません。が、似たようなものはいろいろ作っているので、だいたいの想像はできます。酵母を使わずにベーキングパウダーで膨らませるということで、簡易に作れるおやつパンという感じなのでしょうね。

手持ちの本をパラパラ見てみると、私が持っている最古のお菓子の本(母が持っていたもの)である、婦人之友社の「家庭でできる和洋菓子」(昭和50年発行の30版)には「マフィン」が載っています。カステラ類の項に入っており、内容はベーキングパウダーを使ったレシピです。この「家庭でできる和洋菓子」は、今見てもなかなか良い本だと思います。初版は昭和35年発行です。

柴田書店から出ているフランス菓子の専門書を開いてみましたが、当然のことながら、マフィンの記述はありませんでした。ちなみにこの本の目次を見ると、〈スポンジ生地・バター生地のケーキ、折り込み&練りこみのパイ、シュー生地の菓子、メレンゲの菓子、発酵生地の菓子、プチィ・フール、糖菓、チョコレート、デザート〉とあり、あらゆる種類のお菓子が存在している、という感じです。

アメリカンとイングリッシュでは、先にあるのがイングリッシュで、あとにできたのがアメリカンでしょう。パンを簡単に作る、ということについては、現在でもいろいろな取り組みがありますね。YouTubeでもいろいろな取り組みが紹介されていて、なかなか興味深いです。食品の加工、調理というのは、ずっと進化を続けてきたし、現在でもそれが続いてるのだな、と思います。