手作りするおせち料理は? 2

子どもの頃の実家のお正月、母が作ってくれるもので何が好きだったかを思い出してみると、お雑煮となますが浮かびます。お雑煮は鶏肉入りの醤油味で、大根・ごぼう・せりなどの野菜とぜんまいとこんにゃくなどが入っているものです。私にとっては一番お正月を感じさせてくれる味で、自分でも今も作っています。なますは、鮭の頭を酢で煮た汁に大根と人参を千切りにしたものを漬けて作るものです。今の家族の好みではないので作らなくなった感じです。 今日は煮しめを作りました。これは「家で作った方がおいしいと思うもの」だから作るという感じですね。味付けが濃すぎないように作れるのは、手作りならではです。こんぶ・干しシイタケ・こんにゃく・にんじん・里芋を好みの味付けで煮ます。年始に来られるお義姉さん夫婦のおもてなしに、必ずお出しします。あとは、お雑煮とお餅用のあんこは必ず自分で煮ています。あんこも甘すぎない好みの味にするには、自分で作るのがいいものです。「家族が喜ぶもの」としては、お義父さんのために黒豆を煮る、というところでしょうか。 自分では、手作りの栗きんとん(栗は飾りで、さつまいもを裏ごして作る)を作りたいところですが、最近はそこまでできずにお正月が終わっています。青大豆を茹でて、かずのこと合わせる数の子豆は毎年作っています。これは地元産の青大豆を食べなきゃ、ということと、私が数の子を食べたいから、という理由ですね。 本当は、母が作っていたように昆布巻きを作りたいのですが、にしんが嫌いな夫はたぶん全く食べてくれないだろう、ということで、ほんの少ししか作ったことがありません。にしんは若い人にも好まれなくなってると思うので、塩鮭などを巻いた昆布巻きを作るようにした方がいいんだろうな、と思います。さて、年明け、お正月のうちに作ることはできるでしょうか??。 朝から、いろいろな鍋を火にかけながら、このブログを少しずつ書き、そろそろおせち料理を受取りに行く時間になってしまいました。 おせち料理として次の時代にも残っていくもの、手作りで作り続けられるものは、どんなものでしょうか?伝統食について、来年も考え続けたいと思います。 皆さま良いお年をお迎えください。

手作りするおせち料理は? 1

今日は早くも大晦日。昨日ある程度お掃除ができたので、今日はおせち料理を作ろうと思って朝からとりかかりました。

ふと、世の中のみなさんは、どのくらいおせち料理を手作りするのだろうか?ということが気になってきました。どうなんでしょうか?? 私はというと、「家で作った方がおいしいと思われるもの」「家族が喜んでくれるもの」「自分が食べたいもの」のみを少しだけ手作りする感じです。

実家の母はいろいろな種類のおせち料理を手作りしていましたし、私も実家にいた頃はそれを手伝っていましたので、作り方はひととおり知っています。実家を出て独立?した当初は、それなりに作ったりしてみました。しかし、たくさんの種類を作るには、1日か2日台所に立ち通しでやりきるくらいの作業量なのに、そんな時間はない!!という年末年始を何度もすごすうちに今のスタイルに落ち着きました。そもそも、おせち料理に家族が好きなものがあまりない、冷静になってみるとそんなにたくさんは食べられない、年始からお客さんをたくさん招くような習慣もない、ということで、おせち料理はほんの少しあればいいのですよね。ということで、わが家のお正月に合っている料理、というものだけを用意するようになったのです。

そして、おせち料理は何でも買うことができるのです。10月になると、おせち料理の予約の広告をたくさん見かけていたのは少し前で、最近は9月から予約が始まっているようです。今年はネットでは8月末に広告を見かけた気がします。有名なデパートとか有名なホテルとか料亭とか、婦人雑誌の企画とか、あらゆるところでおせち料理セットを売っているので、高額なものからリーズナブルなものまで、選ぶことができます。私も何年か前から、お気に入りの割烹店おせち料理を秋には予約して、大晦日の午後3時に受取りに出向く、というのが習慣になっているのでした。 そうしたセットのおせち料理には、縁起をかついで食べる代表的なおせち料理はひととおり入っていますので、もうそれで満足できてしまいます。ということで、不出来な自分の手作りおせちを作るまでもない、となってしまうわけです。

干物・乾物ってあると便利。「いもがら」のイタリアンも?!

納豆汁が、雪深い山形県の郷土料理である理由を考えると、春が遅い地方では、春のはじめに若菜などを食べることはできず、野菜・山菜は干物にしてとっておいた物しかなかった、それを、やはり保存がきいた納豆と共に、味噌汁でおいしく食べた、ということであろう、ということですよね。

今となっては、冬も温室やビニールハウスで野菜が栽培できるようになっており、流通が発達して暖かい地域で栽培されたものが雪国でも手に入る時代ですが、今でも納豆汁に「いもがら」が入っているのは、あの特徴的な独特な食感の「いもがら」がおいしいから、であろう、と思います。

乾燥させることによって、物性は明らかに変わります。水で戻しても、もとの生だった時の食感には戻りません。このあたりも、食品の科学としてはなかなか面白い事柄です。

それはさておき、干物・乾物って、持っていると便利なものだなぁ、と、乾物の本を引っ張り出してみました。

キッチンの本棚には、奥薗壽子先生の「もっと使える乾物の本」(農文協)がありました。ぱらぱらとめくってみると、あらゆる乾物について取り上げられています。

初級編では、乾燥わかめ・カットわかめ・のり・干しシイタケ・ひじき・凍り豆腐・切り干し大根・ゆで干し大根・ふ・豆・すき昆布・きざみ昆布、とあります。これらはよく知られているでしょう。次が中級編は、湯葉・とろろこんぶ・おぼろこんぶ・木くらげ・かんぴょう・春雨・ビーフン・桜えび・干しえび・干し貝柱・ドライフルーツ、が並んでいます。このあたりになると、料理上手な人が使うというイメージですよね。

上級編になるとどうかというと、山くらげ・いもがら・金針菜・ふのり・くこ・納豆こんぶ・ドライトマト、が取り上げられています。これはけっこうマニアックで一般には知られていないものもあるような気がします。「いもがら」はここに入っているんですね。

「いもがら」については、’’里芋の茎を栽培したものが「ずいき」で、「ずいき」の皮を剥き、7日~10日間天日乾燥させたものが「いもがら」です’’と説明されています。

’’平安時代から血をきれいにすると食べられてきた’’とあり、これは現代でもたいへん魅力的ですね。

「いもがら」の料理として、オリーブオイルとにんにくで炒めた、イタリアン風もおいしいとのこと。みそ汁で十分おいしいので、他の料理まで試そうという気にもなりませんでしたが、知ってしまったからには、これも試してみようと思うのでした。

冬のごちそう 納豆汁

早くも12月の中旬になってしまいました。今日は比較的暖かく、陽射しがありましたので、外作業を楽に済ませることができて、助かりました。

寒くなると食べたくなる料理は、温かい鍋物、そして納豆汁です。納豆汁は山形県の郷土料理ということになっています。子供の頃にはよく食べていたし、納豆というのは一般的な食べ物なので、全国的に食べても不思議ではないような気がするのですが...。ネットで調べてみても、山形県秋田県南部の郷土料理なのは、間違いないようです。

農林水産省のHPに、食文化のページができていて、全国の郷土料理を検索できるようになっていました。なんと便利な!と嬉しくなりました。食文化というのは、農業とは切っても切り離せないものだということが、共通認識になっているということなのでしょう。

納豆汁は、簡単に言えば、納豆を擂り潰したものを溶かした野菜(山菜)の味噌汁、です。

具として、必ず入るのが「いもがら」です。これは「からどりいも」の茎を乾燥させたものです。水でもどして料理に使うのですが、他にはない食感を味わうことができるものです。こんにゃく、豆腐、油揚げ、が具として必ず入る感じでしょうか。野菜や山菜は、地域や家庭によっても微妙に違うでしょうが、実家の母は、大根と人参は必ず入れていたような気がします。きのこは、なめこが入っていたような記憶があります。彩りという意味でも、せりは必ず入るでしょう。

この納豆汁は、冬の間に何度か(あるいは何度も)食べていたと思うのですが、必ず食べる日は1月の7日でした。全国的には、七草がゆを食べる日ですよね。農水省のHPにも記載がありますが、雪深い地域では、早春に七草を揃えることができないので、七草の時期には干物や保存食を利用して作った「納豆汁」を食べて1年の無病息災を祈る習慣がある、ということだと思います。

最近では、手間がかかるため一般家庭で作られることが少なくなってきているが、旅館や飲食店、学校給食のメニューとしても提供されている。学校給食では人気のメニューである、という記載もありました。

確かに手間はかかりますが、手間をかける価値があるおいしい料理だと思います。他県から山形に来て納豆汁を知り、冬の間に度々作るという奥さんの話を聞いたこともあります。安くて栄養があり健康にも良い料理、という評価のようでした。多少の手間をかけることを厭わなければ、とても魅力のある料理であることは間違いありません。

ということで、今年の冬は、納豆汁を10回は作ろう、と思い立ちました。まずは「いもがら」を確保しておかなければなりません。明日は、農協の直売所に「いもがら」を買いに行こうと思います。

必須脂肪酸を多く含む食品は?

体内で合成できないから、必ず食品から摂らなければならない必須脂肪酸は、リノール酸とα-リノレン酸です。最近では、オメガ6脂肪酸とか、オメガ3脂肪酸とか呼ばれたりしています。

この必須脂肪酸はどんな食品に含まれているのかを、チェックしてみました。

こういう時に役に立つのは、「食品成分データベース」の食品成分ランキングです。これで、リノール酸(18:2 n-6)とα-リノレン酸(18:3 n-3)を多く含む食品トップ10を検索してみました。

リノール酸(18:2 n-6)を多く含む食品は、①サフラワー油(70000㎎/100g)、②ぶどう油(63000 ㎎/100g)、③ひまわり油 (58000 ㎎/100g)、④綿実油(54000 ㎎/100g)、⑤とうもろこし油(51000 ㎎/100g)、⑥大豆油(50000 ㎎/100g)、⑦ラー油(43000 ㎎/100g)、⑧くるみ(いり)(41000 ㎎/100g)、⑨ごま油(4

1000 ㎎/100g)、⑩調合油(34000 ㎎/100g)でありました。

この中で、自分の食生活で最も摂取が多いものは、「くるみ(いり)」、「ごま油」でした。普段使っている油は、こめ油とオリーブオイルなので、「サフラワー油」・「綿実油」・「とうもろこし油」・「大豆油」などは使っていません。それでも、おそらく既成品のお惣菜やその他の加工食品中に含まれるものを、それなりには摂取しているものと思いますが。

α-リノレン酸(18:3 n-3)を多く含む食品は、①えごま油(58000 ㎎/100g)、②あまに油(57000 ㎎/100g)、③えごま油(24000 ㎎/100g)、④あまに/いり(24000 ㎎/100g)、⑤チアシード/乾(19000 ㎎/100g)、⑥くるみ/いり(9000 ㎎/100g)、⑦なたね油(7500 ㎎/100g)、⑧調合油(6800 ㎎/100g)、⑨大豆油(6100 ㎎/100g)、マヨネーズ/全卵型(5500 ㎎/100g)でありました。

このα-リノレン酸は、健康のため積極的に摂取するべきと推奨されていますので、私も「あまに油」か「えごま油」を冷蔵庫に常備していて、サラダやおひたしにかけて食べるようにしているところです。

これらの油の原料である「えごま」は、どこかの直売所で購入して、料理したことがありますが、「あまに」というのは見たこともありません。どこで手に入るのでしょうか。「チアシード」も現物はなかなか売っているのを見かけることはない気がします。それに比べると、6番目に挙がっている「くるみ」は、ずっと身近ですね。

『必須脂肪酸が不足しないようにするには?』と聞かれたら、『とりあえず、「くるみ」をおやつやおつまみで食べておくのが良さそうですよ』というのが答えになるでしょうか。

「くるみ」が嫌いな人はどうしたらいいか?。

リノール酸の方は、植物油を含む食品を食べることで、ある程度摂取できそうです。α-リノレン酸が不足しないようにするには「えごま油」「あまに油」を摂るのが良さそうです。くせがない油なので、サラダやおひたしにかけても気にならずに食べられると思います。

 

 

減らせばいいというものでもない…脂質の栄養学

科学というのは、ずっと進化し続けているというか、それまでの定説が覆り、新たな知見が定説になるということが、ずっと続いているもののようです。

人にとって身近な科学である栄養学も、常に進歩しています。今、正しいと思っていることも、未来のある日、新たな発見によって必ずしも正しくなくなる、ということもあるのかもしれません。

情報があふれている現代、正しく新しい情報を知って取り入れていくというのは、実はけっこう難しいような気がします。何らかの専門分野を持っている人は、自分の専門分野については、常に勉強して知識を刷新しながら生きていくのでしょうが。関心を持たない分野については、多くの人が昔習って覚えたことを刷新する機会などないままにすごしてしまいそうです。

昭和の後半からこれまで、どちらかというと食べすぎ、カロリー過多が問題で、不足している栄養素はカルシウムくらい、という時代が長かったような気がします。

カロリー過多の場合、カロリーの高い「脂質」を減らした方がいい、となるためか、「脂質」というのは減らした方が良いもの、というイメージがある気がします。そして最近は、「糖質」を取りすぎてはいけない、ということがすっかり定着していて、たくさん摂った方がいいと言われているのは「たんぱく質」だけという状況です。

しかし、体内で合成できない栄養素は必ず食品から摂らなければならず、それが、ビタミンとかミネラル、必須アミノ酸、必須脂肪酸、であるわけです。タンパク質はアミノ酸からできていて、アミノ酸の中でも必須アミノ酸というのは一定量以上は必ず摂らなければならず、それを含むタンパク質の摂取は重要である、というわけ。それと同様に、必須脂肪酸を含む脂質も必ず摂らなければならないわけです。不足すれば体調に何らかの影響が出てしまいます。

そもそも脂質って、どのくらい摂ればいいのか?、栄養学の教科書でチェックしてみました。脂質摂取の目標値は、総エネルギー摂取量の20~30%となっています。

科学の進歩により、必須脂肪酸というものがあるということが明らかになる以前は、脂質はただのエネルギー源と考えられていたようです。

脂質には、多くの種類があるけれど、栄養学的に重要なのは、単純脂質であるトリアシルグリセロールと、複合脂質であるリン脂質、誘導脂質であるステロール。脂質の多くは構成成分として長鎖脂肪酸を含んでおり、脂肪酸は食物中の脂質から供給される他、体内でも合成されます。

現在、体内で合成することができないので、必ず食事から摂取しなければならないとされる必須脂肪酸は、多価不飽和脂肪酸のn-6系である「リノール酸(18:2)」、n-3系である「リノレン酸(18:3)」です。オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸、と呼ばれたりしていますね。

n-6系脂肪酸とn-3系脂肪酸の食事摂取基準は、年齢・性別別に定められていて、例えば、30歳~49歳の男性はn‐6系脂肪酸:10g/日、n‐3系脂肪酸:2g/日、30歳~49歳の女性でn‐6系脂肪酸:8g/日、n‐3系脂肪酸:1.6g/日となっています。

この脂質の栄養というのは、健康上、生活習慣病の予防という点において、けっこう重要であるようです。

歳をとっても健康でいるためには、エネルギー過多にならないように、糖質も摂りすぎないように、たんぱく質が不足しないように、気を付けると共に、脂質の質についても注意を払う必要があるようです。このあたりのことは、一般的にはどのくらい知られているのかが気になります。

カラフルな果実酒

今年も、少し遅くなったかな、と家の柿の収穫をしたのは、10月末でした。柿の収穫を終えてほっとしたところで、ふと気付くとざくろの収穫をまだしていなかったことに気付き、厚めの手袋を付けて、棘の多いざくろの木から、割れて赤い果肉が見えている果実を、そっと切り離して収穫しました。

果実を割って、中から赤い果肉をぽろぽろと取り出して、そのまま齧ると酸っぱいさわやかな味がします。が、それで食べつくすはずもなく、ざくろは果実酒にするのでした。

用意しておいた35度のホワイトリカーと氷砂糖と一緒に、キレイに洗って熱湯を通しておいたガラス瓶にそっと入れました。本当は冷暗所に置いた方がいいのでしょうが、透明なホワイトリカーが少しずつざくろの色に染まっていくのを眺めるのがなかなか楽しく、テーブルの上に出したままにしてあります。

赤い色を持つ果実というのは、果実酒にしても果実シロップにしても美しくて良いものですね。

果実のシロップで好きなのはいちごシロップです。春のいちごシーズンの終わりに値段がだいぶ下がった小粒のいちごが出回るのですが、その頃に作ります。その後は暑い季節になるので、冷たい飲み物に加えて楽しむことになりますが、いちごの味と香りを長く楽しむことができます。味と香りだけではなく、赤い色が元気をくれる気がします。いちごシロップを味わうために、普段は食べないプレーンヨーグルトをわざわざ買ったりします。

果実の味や香りを長く楽しむための果実酒やシロップですが、これには砂糖を欠かすことはできません。甘い味をつけるためというよりも保存性を持たせるために絶対に必要なのです。

しかし、健康志向が高くなっている現在、糖をたっぷり摂取することになる甘い果実酒やシロップは、そんなに頻繁に口にすることはできないですよね。

夏につくる紫蘇ジュースも、砂糖を入れないわけにはいきませんが、紫蘇の成分だけ取り出して甘くないものを作れないものか、、、と思ったりしていました。

美しい色素だけを取り出して利用することができればいいのに。家庭でできる加工法・保存法では難しいことだと思うのですが、何か方法はないかしらと考えたりしています。